【憧れのエアストリーム】自宅で楽しむエアストリーム!
アメリカのキャンピングトレーラーを代表するエアストリームは、内装やキッチンセットなど、アメリカンな雰囲気がいっぱいです。アルミ合金製で丸みを帯びた特徴的なフォルムのボディを持ち人気があります。日本では若干大きすぎるその車体を、自宅で使ってはいかがでしょうか。
キャンピングカーの最高峰エアストリーム
1930年、エアストリームの創業者ワーリー・バイアムはロスアンジェルス郊外でキャンピングトレーラーを作り始めました。初めて作ったトレーラーは現在のモデルとは違い、宇宙船に車輪を付けたようなデザインでした。
1930年代は飛行機が、ちょうど複葉機からアルミ合金製の単葉機に変わる過渡期で、飛行機による大量輸送の黎明期でした。ワーリーはその新しく斬新な飛行機の構造をモデルにして、飛行機と特徴である軽くて空気抵抗の少ない流線形のボディを生み出しました。そこからエアストリームは丈夫なフレームに、アルミニウム合金製の板をリベット止めしたシェル構造となり、アルミ合金板は鏡面仕上げで磨かれてシルバー色に輝きを放っていました。
個性的なデザインは今もなお引き継がれています。1975年を境に表面処理にフッ素コーティングが施されるようになり、鏡面仕上げでは無くなりましたが、艶を控えめにした仕上がりは、すこし落ち着いた雰囲気になっています。
1980年、エアストリーム社は大きな転換期を迎えました。大手のキャンピングカーメーカーTHOR Industory社に買収されて子会社となったのです。それ以降、製作されるトレーラーはモデルチェンジを繰り返すようになりました。また、ボディサイズが徐々に大きくなり、装備を含めて豪華な仕様に代わっていきました。そしてラインナップもだんだん増えていきました。
日本では現行モデルのなかで、BANBI(バンビ)と名付けられた一番小さいモデルに人気があります。これは1961年から製造されているモデルです。コンパクトながらエアストリームらしい独特なデザインです。
もっとも大きいモデルは最長33フィート(約10m)あり、フラッグシップモデルのCLassic(クラシック)は豪華な家具や調度品が設えられ、動く別荘と呼ばれます。
エアストリームの活用事例
日本でも、古いエアストリームはヴィンテージと呼ばれ、中古市場で人気があります。キャンピングカーとして使われるのはもちろんですが、アメリカでの事情と同じように、住居や別荘として、またキャンプ場のロッジやホテルの宿泊施設などとして、大きすぎてトレーラーとしては登録ができないフルサイズのモデルも使われます。
ヴィンテージのエアストリームは、個性的なデザインとピカピカ光る外観が、とてもよく人の目を引きつけます。目立つ外観を利用して、宣伝用のアドカーやイベントの展示などによく使われます。また、移動店舗として使われ、効果的に利用されています。
また、内装外装共に改造され、業務用キッチンが付けられて、キッチンカーとして使われます。個性的な外観はラッピングや塗装を施されても目立ち、カラフルに塗り替えられたエアストリームが使われています。大型のエアストリームは、ダイニングテーブルや、カウンターなどを装備して、レストランや、バーなどのダイニングとして使われます。
広くゆったりした内部を事務机や会議スペースに改造して、オフィスに使う例もあります。移動もできるので、イベントなどでの商談スペースや、いろいろな現場で、業務室や休憩スペースとして、もちろん宿泊施設としても使われます。
最近のコロナ禍の影響もあり、モバイルワークが推奨されています。キャンピングカーは移動できるオフィスとして、中に入れば静かで誰にも邪魔されない空間があります。最新のエアストリームではデスクやPC台を備えたモデルが販売されています。
エアストリームで生活する方法
前述したように、本国アメリカでは、エアストリームに代表されるキャンパーで生活している人たちがいます。日本で、エアストリームで生活するスタイルはどのようになるでしょう。エアストリームを決まった場所に定置してそこで生活するか、決まった住所を持たずに、移動しながら生活する二つのパターンが考えられます。
定置してその場所に住むのであれば、まず、エアストリームを置く場所を決めます。そこには、電気、上下水道などの生活インフラがその土地まで届いていることが必要です。
次に、エアストリームを車両として登録したまま定置するか、車両では無く建築物とするか、でいろいろな条件が変わります。車両の登録をしたまま定置するのであれば、移動可能な状態で置かれることが必要で、電気、水道、電話線などは工具を使わずに取付取外しができるコネクターなどを使って接続します。また、クレーンなどを使わずに自走で道路まで出られる状態であることなども必要です。
車輛として登録されているならば、市街化調整区域などで新たな建物を建築できない土地でも定置できます。また、このような場合には家ではないので、建築確認、固定資産税、不動産取得税が不要です。その代わりにトレーラーのサイズによって定期的な車検を受ける必要があります。ちなみにトレーラーには自動車税が掛かりません。
全幅が2.5m以上のトレーラーは車輛として登録することはできませんので、この場合には建築物として定置することになります。建物の基礎を作り、定置して建築確認を受けることになります。また、不動産取得税がかかり、毎年の固定資産税もかかります。
決まった場所に定住せず移動しながらノマドのように生活するとしても、住所はどこかに決めて住民登録をしなければなりません。住民登録が無いと、税金の納入や車両の登録、免許証の発行などができません。その住民登録した場所に住む必要はありませんが、郵便物などが届くことが条件で、親兄弟か親戚などに頼んでその住所に、住民登録をしましょう。他人の土地、住所に登録するのであれば必ずその土地の所有者の承認を得てください。
目的に合わせたアウトドアを楽しみましょう
エアストリームは住居としても充分な機能と設備を持っています。トレーラーとしては高額ですが、住居とするならば安価とも考えられます。また、庭や駐車スペースに置いて離れや子供部屋として使うのも良いでしょう。
いろいろな規約と制限もありますのでひとつひとつクリアして、エアストリームでの生活を実現させてください。