キャンピングカーのエアコンはどうする?種類や設置のポイントについて
車の中で就寝できるのがキャンピングカーです。キャンプする場所は快適な気候の場所だけではないです。夏場の暑い夜や、梅雨時のじめじめした湿気の中、窓を解放できずに練ることもあるでしょう。そんなときにもエアコンが使えると快適に過ごせます。
夏場には欠かせないエアコン。しかし課題も多く・・・
現代のクルマでカーエアコンが付いていないものは稀です。キャンピングカーも同様ですが、カーエアコンを使うにはアイドリング状態でエンジンをかけ続けなければなりません。アイドリング状態であっても、エンジンの音は周りに響きます。また、排気ガスも出し続けることになります。そういった理由からオートキャンプ場やRVパークなどでは、他の利用客に配慮するため、アイドリング状態を続けることは禁止事項になっています。
それではキャンピングカーでエアコンを使うことができないのでしょうか?
答えは二つの方法があります。
一つ目はキャンピングカー専用のエアコンを取付けること、二つ目は家庭用エアコンをキャンピングカーに取付ける方法です。
キャンピングカー専用エアコンは、アメリカの大型キャンピングカーに良く設置されているルーフエアコンです。電車のエアコンのように屋根に取付けます。大きく重量があるので、大型のキャンピングカー向きで、やや騒音が大きいという欠点があります。
最近の家庭用エアコンは静音で消費電力も少ないので、日本のビルダーで作られるキャンピングカーに設置されることが多くなっています。家庭用エアコンは車のような振動のある環境での使用は想定していないので、日常的に点検をすることが大切です。
どちらの場合もキャンピングカーをAC100Vの電源に接続するか、エアコンに対応できる容量のバッテリー、さらにバッテリーの直流出力を交流に変換するインバーターを使います。
家庭用エアコンを設置する場合のメリット・デメリット
家庭用エアコンは年々、静音性、省エネ性能が高くなっています。また、種類も多く、キャンピングカーの大きさに合わせて選択することができます。
一晩中動作させることもあるエアコンは、容量の大きいバッテリーが必要です。それは室内灯や冷蔵庫に使用しているサブバッテリーとは別に、3番目のバッテリーを設置することが多いです。エアコンの設置スペースと共にバッテリーの収納スペースも必要になります。
外部電源に接続できる機能があれば、家庭用電源に接続してエアコンを使用できます。一部のオートキャンプ場やRVパークでは、AC100Vの電源を使うことができます。その際には、その電源の電気容量が、エアコンの電気容量に対して充分に足りているか確認してから使ってください。
エアコンは室外機が別置きになるセパレートタイプが主流です。室内機は車内の天井に近い壁に取付られますが、室外機の設置場所はキャンピングカーの構造によって様々です。ある程度の大きさがあるのと、もとより車に取付けられることは考えられていませんので、走行中の風や雨が当たりにくい場所で、走行中に落下するなどの危険が無い場所に設置します。また、屋根など高い位置に設置すると車の重心が変わり運転時の走行性能に影響します。
FRP(繊維強化プラスチック)などの断熱性の高い素材で作られたシェルや、断熱材を多用したキャンピングカーはエアコンの容量が小さくても、その効果があります。真夏の炎天下でレジャーを楽しんだ後も、室内が充分に冷えているならば快適に過ごせるでしょう。バンコンなど、外装が鉄板のキャンピングカーは、直射日光の当たりながら駐車するなどの場合には大きなエアコンの容量を必要とします。
小型の室内機(車載用エアコン)が注目されています
近年、新しい車載用のエアコンが開発されて販売されるようになりました。それは株式会社オズ・エンジニアリング(本社・神奈川県)から発売された「直流インバータ・クーラー」です。
キャンピングカー用に新しく設計されたそのエアコンは、室内機と室外機ともにコンパクトで、設置場所の問題を改善しました。
家庭用のエアコン配管は銅製のパイプで配管しますが、銅管は振動に弱く、接続部や曲げた場所からの冷媒の漏れが懸念されますが、このエアコンはゴム製の配管で接続するため、耐震性耐久性を格段に向上させました。
12Vの直流電源で駆動しますので、AC100Vに変換するインバーターなどの機器を使わずに、車載のバッテリーから直接電源をとることが可能です。インバーターが不要となり、スペース的にさらに有利になりました。
室内機は、幅650高さ280奥行き160㎜と一般的な家庭用エアコンに比べてとてもコンパクトに出来ています。重量も6kgと軽量です。
室外機は屋根置きタイプ(幅690奥行445高さ265㎜)と背面取付タイプ(幅480奥行210高さ625㎜)とマルチタイプがありいずれも20kg前後と軽量です。また、錆に強い亜鉛メッキ鋼板で作られています。そして空力的にも考慮されたデザインです。
エアコンの能力は2.2kwと、家庭用での6畳タイプに相当します。インバーターエアコンなので、省エネ能力が高く、この制御システムにより、最大出力時は60Aで冷やし室内温度が安定した後には10~15Aほどで駆動することができます。
このようなキャンピングカー用のエアコンの開発がどんどん加速すれば、高い費用を出して家庭用エアコンを設置する必要はなくなり、夏の涼しさがもっと手軽なものになるかもしれません。
あなたのキャンピングカーに合わせた選択を!
ここ近年の夏の夜には、温暖化の影響かどうかはわかりませんが熱帯夜となる火が増えています。海岸や標高の高くない平地のキャンプ場では寝苦しいこともあるでしょう。そんな夜でもキャンピングカーにエアコンがあれば快適に過ごせます。また、窓を開けずに寝られますので防犯の面でも優れています。