冬キャンプの寒さ対策!寝る時、電源なしでどう凌ぐ?
夏のキャンプのハイシーズンが終わり、秋から冬にかけて、静かな山の中で過ごせる季節がやってきます。澄んだ空気と少なくなった虫たちと引き換えに、寒さがやってきます。
夕方から、夜にかけてのくつろぎタイムは焚火をすることで、寒さはしのげます。しかし、就寝時、特に夜明け近くの寒さは、対策なしでは如何ともできません。寒くて目が覚めてしまうこともあります。オートキャンプ場などで電源付きのサイトならば、電気毛布、敷布、などが利用できて、暖かく寝られます。しかし今回は電源なしでどのように寒さを凌ぐか考えてみましょう。
冬キャンプの寒さ対策は万全に
冬のアウトドアでは、動かずじっとしていると体がどんどん冷えてきます。
昼間はウィンタースポーツをしたり、歩いたりするだけで体は暖かくなりますが、夜の冷気は体からどんどん熱を奪っていきます。冬の山の中では、明け方の気温が零下になることも珍しくありません。食後のまったりタイムや、就寝時は、しっかりと防寒対策をしていないと、せっかくのキャンプが楽しくないばかりか、体温の低下が身体の変調をもたらすこともあります。
寒さ対策はまずウェア類からです。まず下着に冬用の防寒、発熱などの機能を持った素材のものを着て、その上に空気の層を保ちやすい素材を着用します。そしてアウターにはダウンジャケットなどしっかりした冬用のウェアを着ます。靴下や、帽子、手袋なども忘れずに着用しましょう。
そしてテントは、寒さ対策がしっかりしたものを選びましょう。地面からの冷気を遮断する工夫、すきま風対策が大切です。
テントの中で暖房機を使うことは、火傷のおそれ、転倒などで火災を起こす危険、などをしっかり管理ができることが条件です。密閉されたテントの中で火を起こすと、一酸化中毒を起こす恐れがありますので、常に換気に気を付けながら使います。就寝するときには、熱源の管理ができなくなるので、必ず消すようにしましょう。
冬キャンプ寒さ対策のポイント
冬場のテントサイトはできるだけ日当たりが良く、さらに草や芝などで覆われていれば、暖かくて理想的です。
寒さ対策にはまず、テントの防寒をしましょう。ほんの少しでもすきま風が通ると、温まった空気が冷たい空気に変わります。テントは素材がコットンのものなら防風性があり、冬の寒さ対策に優れています。生地から自然に換気が出来るメリットもあります。
冬場はテント内部と外気の差で、テントの内側に結露が起きますが、コットン素材は比較的結露が少ない特徴があります。そして熱にも強いことから、テントのそばで焚火をしても、火の粉による損傷が少ないです。ティピー型テントなどで条件が許せば、中で火を炊くこともできるのでお勧めです。本来のアメリカンネイティブが使っていた「ティピー」は、中で火を焚く前提で造られていました。
ナイロンテントでもスカートがあり、地面までしっかり覆えるもの、インナーテントがあるものが有利です。キッチンと居住スペースが一体になったシェルタータイプのテントもお勧めです。シェルターの内側でストーブなどを使って暖を取ることができます。いずれのテントも、冬場は締め切りにしがちですが、常に換気には気を付けてください。
寝袋は、頭まで覆うことができるマミー型が最適です。シュラフカバーを併用する、寝袋の中にも毛布などを入れる、などで更に断熱効果が高まります。
冬キャンプの寒さ対策に適した服装
寒い季節のウェアは防寒の基礎です。体感温度に対応しやすいレイヤー(重ね着)が基本となりますが、いくつかポイントがあります。
インナーは、透湿性と保温性の良いものを選びましょう。シャツだけではなく、足首まで覆うタイツも有用です。直接肌に触れるインナーは、登山やアウトドアスポーツで汗をかくシチュエーションと、あまり体を動かさない釣りや、バードウォッチング、天体観測、などのシチュエーションで、それぞれ違う性質のものを選びます。
できるならば、汗をかいたらなるべく早く着替えましょう。
インナーの上には、空気の層を作るライトアウターを着ます。ウール素材やフリース素材などで、体感温度によって脱ぎ着のしやすいフルジップのものがおすすめです。
冬のアウター代表はダウンジャケットです。外被がゴアテックスなどの防水素材がおすすめですが、焚火をするときには火の粉で穴が開かぬよう、ポンチョを羽織るなど工夫が必要です。
冬の冷気は特に足元から上がってきます。防寒のしっかりしたウィンターブーツ、保温性の高い靴下も忘れずに準備しましょう。一度、手先や足先が冷えてしまうと、少しぐらいの運動をしても、なかなか元には戻りません。発熱カイロを使って冷え切らないように手当をしましょう。
冬キャンプのテント内の適した寒さ対策
前記しましたが、冬のテントで大切なのは冷気を遮断することです。冷気には大きく分けて2つあり、地面からの冷気と、テント内を通り抜ける風です。この場合どちらも対策が必要です。
冬場の地面からの冷気は、時間がたつにつれ、だんだんとテント内を冷やしていきます。まず地面からの冷気をできるだけ遮断しましょう。テント内の防寒対策は。まず、テント設営の前にグランドシートを敷き、地面から上がる湿気を遮断します。そしてテント内には銀マット、EVAマット、エアーマット、天然素材のラグなどを敷き詰めます。それぞれの素材が空気の層を作り、断熱しますが、薄いエアーマットなどで、体重で空気の層がつぶれてしまうならば、その効果はありません。複数の素材を重ねて敷けば、断熱効果が高まります。
一般的なテントは、フライシートに防水性が高くて通気性の少ない生地で作られて、通気性のあるインナーテントを組み合わせています。夏など暑い時期には、フライシートの裾や開口部から、空気がインナーテントの中を通るように風が抜けていきますが、冬場はその風を遮断するために、フライシートと地面の間に隙間ができないようにテントを設営します。構造上どうしても隙間ができてしまうテントの場合は、スカートを取り付けます。テントのオプションでスカートの用意が無ければ、グランドシートなどを加工して作ることもできます。
通気性を極力排除し、密閉された状態のテントは、テント内部と外気の気温差で結露します。
フライシートの内側には、多くの結露がおきますので、フライシートの内側に触れるところには靴など濡れては困るものを置かず、インナーテントがフライシートの内側に直接触れないように気を付けましょう。こまめに換気すると若干結露を防ぐことができます。
冬場のキャンプは、日の入りが早く、日の出が遅いため、テント内で過ごす時間も長くなります。テント内で座るローチェアや座椅子などがあると快適に過ごせます。コット(簡易ベッド)や厚手のエアーベットがあれば、就寝時にもさらに快適に過ごせます。
冬キャンプの寒さ対策に欠かせない暖房器具
一日中アウトドアで過ごすと、どうしても体が冷えてきます。テントに入る前の時間は焚火が定番ですが、テントの中にも暖房器具があるとホッとできますね。
キャンプ用の暖房器具としては、ガスボンベや、ホワイトガソリンを使ったヒーターがあります。小型の灯油ストーブなども利用できますが、基本的にテント内での使用は転倒や、一酸化炭素中毒の危険性がありますので、テント外での使用が基本となります。雨降りなどで、どうしてもテント内で暖房や調理をするときには、一酸化炭素中度の危険があります。一酸化炭素は無味無臭で、酸素が少ない空間での燃焼で発生します。本人の自覚のないまま中毒になり、そのまま意識を失い倒れてしまいます。常に換気に気を付けるとともに「一酸化炭素警報機」を用意して併用しましょう。
昔ながらの「湯たんぽ」も寒さ対策に有効です。お湯を湯たんぽにいれて使いますが金属製の「湯たんぽ」は焚火やストーブで直接暖めることができます。
防寒対策を徹底して冬キャンプにのぞみましょう
冬場のキャンプ場は、寒さを克服すれば、他の季節とは違った楽しみができます。夏場に比べて人も少なくなり、気になる虫もほとんどいなくなります。天気も安定し、澄んだ夜空にはきれいな星空が見えるでしょう。
紹介してきた防寒対策を十分に施していれば、快適に過ごせると思いますが、対策が甘いと、寝られぬ夜を過ごすか、体調を崩すこともありますので、寒さに耐えられなくなったら、暖のとれる場所に避難するなど、エスケープする案を用意しておくことが大事です。安全なキャンプを心がけてください。
※なお、RVingJAPANではアウトドア用の薪ストーブや焚火台をレンタルしています。冬のキャンプ対策でお困りの方、薪ストーブを使ってみたい方はぜひご相談ください。
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